こんばんは。秋鐘です(^ν^)ノ🔔
この夏から上映されてる『ペンギンハイウェイ』
妻にも会社にも内緒で半休使って観て来ちゃいました!╰(*´︶`*)╯♡
めっちゃ面白かったよ!
ジワジワとロングランで大ヒットになるのでは、、、と期待してます!
簡単に作品を紹介します。
どんな小さな発見も研究課題としてノートを取り続ける自称天才の小学生が、街で起きた小さな珍事件を調査し始める所から物語は始まる
- 「プロジェクト・アマゾン」→川を遡って源流を探す探検隊
- 「プロジェクト・お姉さん」→生物学では説明出来ないトキメキの正体を解明する
- 「プロジェクト・ペンギンハイウェイ」→街で見かけたペンギンが何処から来たのか追跡する
そしてある日少年は同じクラスの天才少女から難題を持ちかけられる
物語の核となる『プロジェクト・海』
それぞれの研究を進めるうちに思いがけない方向に発展していき、最後は壮大なクライマックスを迎える。
監督は自主制作映画で脚光を浴びた石田祐康さん。
「フミコの告白」は見た事があったので、
なるほど監督らしい作品に仕上がったものだと納得しました。
機会があったので都内某所で公開されたメイキングセミナーに参加してきました。
会場は満席で1/3は勉強熱心な学生さん達だったので驚いた。
そして最後のプレゼント抽選会でなんとサイン入りポスターをGETしてしまいました
せっかくなのでホームセンターで白い額を買ってきて飾ってみました
夏らしく爽やかで部屋が明るくなりました
ここからはネタバレ記事です。
まだ見てない人は引き返して下さい(^人^)
映画見終わって強く印象に残ってるシーンや違和感を感じた所、謎のまま終わってしまった所が気になって原作も読んでしまいました
小学生とは思えないスケッチの巧さに違和感
原作では本人にしか読めない速記法で書いていた。スケッチも下手。秋鐘もノート取る派だし、自分にしか読めない速記法を持ってるので共感した。
映画では主人公の明晰さや几帳面な性格を表す目的もあって綺麗な字とスケッチに変更したらしい。
しかしそれ以上に、「ノートを見ながら視聴者も一緒に謎解きに参加できた」ことが今作を非常に面白い作品に仕上げていたと思う。
小説という媒体では読みやすい活字と字間によってそれを演出していた。
だからこの物語において重要なことは少年のスケッチ力では無く、視聴者にも一緒に考えてもらいたいという原作者の意図であり、しっかり形に出来たと言えるのではないだろうか。
おっぱいを不自然に強調し過ぎ
これは監督の趣味かと思ってたけど、原作に忠実に描写した結果でした。
監督すみません
しかし小説では生物学的に深く洞察している心理描写が描かれるのに対して、声と映像では直接的なインパクトが強く出てしまい、本来の意図と乖離してしまう危うさを感じました。
お父さんのセリフが常に痺れる
映画で強く印象に残った「世界を袋の中に入れることが可能か」というシーンですが、何と映画オリジナルの表現でした!!
紙を折り畳む表現の方が「草原と海」が何だったのか的確に言い表しているし、小学生の頃よく遊んでいたので懐かしくなった。
しかし、映像にしてしまうと直接的過ぎて<海>の正体を早い段階で示唆してしまう。
映画での表現はもっと抽象的にする事で「常識に囚われず視点を変えてみることは重要である」というメッセージが伝わるものになっていた。
その上で、「世界の果ては必ずしも世界の外にあるとは限らない」という重要なヒントを与え、
この作品はただの日常ファンタジー系アニメではなく、もっと空想科学的な作品であると視聴者に気付かせ、緊張感を与えた名シーンに仕上がったと思う。
では、エウレカについて教わるシーンはどうだったか。
これは小説に忠実に描写されていた。
小説の中でもお父さんはスーパー格好良い。
こんな父親になりたいなと思いました
太古から続く命の繋がりや世界の始まりを示唆する夢のシーン
凄く神秘的で印象に残ってます。
メイキングで作画を見せてもらえましたが、作画の時点で物凄い壮大なシーンに仕上がっていて圧巻でした。
まさに神技!
結局ジャバウォックとは何だったのか謎のまま終わった
これが気になって小説を買ってしまったのです!
小説では解決していました。
・ペンギンが海を消すとお姉さんも消える。
・ペンギンを消せば海が拡大して世界が壊れる。
どちらにせよお姉さんは消えてしまう。
お姉さんがこの世界に存在し続けるためには、常に一定のペンギン数を保たなければならない。
つまり海と一緒に偶発的に誕生してしまったお姉さんは、他の動物と同じように生きるための本能が働いて行動していただけのことだった。
海が巨大化しエネルギーに満ち溢れている時、陽のイメージが具現化されるのがペンギン。ペンギンは海を小さくして世界が壊れないように作用する。
海が小さくなり自分が死にかけてる時、死に対する恐怖のイメージが具現化されるのがジャバウォック。ジャバウォックはペンギンの数を減らしお姉さんが消えないように作用する。
お姉さんがいなくなってハマモトさんとの新しい恋を連想させるエピローグ?
直接的には言ってないけど、セリフとカットのタイミングによって新たらしい日常の始まり、ハマモトさんとの恋を連想させるエピローグになっていたと思う。
ちょっと変り身早すぎない?と思ったけど、少年の未来を現実的な視点で想像できるホッコリした余韻が残る良い終わり方だったと思う。
原作では、お姉さんを見つけられるくらい偉大な研究家になって、きっとお姉さんと結婚してみせる。
お姉さんに続くこれからの人生の道、それが少年にとってのペンギンハイウェイ。
そんな感じで、とことんお姉さんに執着して終わった。
「お姉さんは人間では無い」と悟っても、だからこそ「必ずまた会える」と信じる。
どちらも同じ終わり方なんだけど、映像によって余韻に差が生まれた。
2つの少年の未来が見えた。どちらの未来も良いと思える。
映画ではカットされてしまったウチダ君の研究
小説でウチダ君が密かに研究していたテーマが「死後の世界」
小説の中でも特に他に繋がるような展開も無く、唐突に挿入され、よく分からないまま流れてしまうのだけど、意味なく挿入するとも思えない。
アオヤマ妹が母の死を想像するシーンも同様で、
生と死は今作品の大きなテーマだったのかもしれない。
ウチダ君の仮説によると「この世界に死は存在しない」
例えばウチダ君が死んだ場合、
アオヤマ君の視点で見るとウチダ君のいない世界が続くだけだけれど、
ウチダ君の視点で見ると、世界を認識できるのは生きていた時まで。
言い方を変えると、生きている限り世界は存在し続ける。
逆に言うと、世界が存在し続ける限りウチダ君は死なない。
小説も映画もアオヤマ君の一人称視点で書かれているが、お姉さんの視点で見るとどうなるだろう?
お姉さんは海辺の街で生まれ育ち、
何かの事情で死んでしまったのかもしれない。
死んだ時点で今まで生きていた世界から切り離され、お姉さんだけの世界が生まれる。
お姉さんには生前の思い出が残っている。
何かのきっかけでお姉さんの世界と少年の世界が繋がってしまった。
<海>とは2つの世界を繋ぐ穴。
2つの世界が繋がったことで、少年の世界は半分お姉さんの世界になった。
お姉さんの世界はお姉さんのイメージが創り出した世界なので、お姉さんが望めば物質をペンギンに変えることも出来る。
最期は世界を切り離し、お姉さんは自分の世界に帰り、少年の世界は元通りになった。
しかし少年はお姉さんの世界を認識してしまったので、少年の世界の中にお姉さんの世界はずっと存在し続ける。
つまり少年とお姉さんは同じ世界にいることになるので、たくさん勉強すればきっと会いに行けるようになる。
とまぁ、読み終えた後も余韻が続く良いお話しでした
この記事を書くのに3日も掛かりましたが、
書き終わった時には想像してなかった結末に辿り着いてしまいました
毎日頭をフル回転させ続けているのに、周囲に全く伝わらないSweet☆Home!
それでは次回もお楽しみに〜
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